2009年5月1日金曜日

宝探し

 宝物は全ての人の中にある―。

 これが私の信条であり、これを信じているからこそ、人生が楽しい。
何のために大学に行くのか、何のために就職するのか、何のために結婚するのか、何のために日々生きるのか。多くの人がその意味を深く考えることなく自分の進むべき道を決めている。意味など後から付いてくる―それもある意味正しいとも思う。
 人生とは、自分に出来ることを考え、周りの状況や制約条件を踏まえて、次にどのカードを切るかという意思決定の連続である。その意味で人生はゲームである。どんなゲームでも、まずは自分の手札で何ができるかを考えることが、ゲームを有利に進める上で最低限必要であるのと同じように、自分の中の宝物に気づくことは、人生というゲームをより有利に、より楽しくするための前提であると言える。
洋々に参画するまでは世界的な経営コンサルティング会社で12年近く、コンサルタントとして日本を代表する様々会社の経営陣や従業員とともに仕事をしてきた。そこで学んだのは、答えは全て会社の中にあるということ。誤解をしている人も多いが、コンサルタントは目からウロコが落ちるような、斬新なアイディアに基く解決策を教えてくれる「魔法使い」では決してない。その会社で働く人と徹底的に対話し、問題の本質を明らかにし、その問題に対して最も効果があると思われる解決策を提示し、それを企業のコンセンサスとして確立する。このプロセスこそがコンサルティングであり、相手を理解せずに、誰にでも効く特効薬を処方することは、コンサルタントの仕事ではない。問題の本質も打ち手もそのほとんどはその企業の誰かしらが気づいていたり知っていたりするものだ。しかし、それが共通知になっていなかったり、会社としての優先順位が明確でなかったりすることで、多くの企業で有効な打ち手が取れずにいるのである。コンサルティングの本質は、「企業に眠る宝探しのお手伝い」だと思っている。

 今、日本中の様々な組織で似たような状況がある。企業、学校などの公的な組織だけでなく、家庭、部活動、趣味のサークル…。自分の、自分たちの中にある宝物に気づかなかったり、気づいていてもそれに目を向けていなかったり、優先順位が低かったり。どんな人にもどんな組織にも宝物はある。全ての人が自分の中の宝物に気付き、それを掘り出せたら今よりももっと日々を楽しく過ごせるに違いない。私たちは少しでもその手伝いができたらと思っている。全ての人が大志を抱き人生を謳歌出来るように。

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